JR九州 環境報告2018
地球温暖化防止に向けて
効率的なエネルギー利用
新築、リニューアルなどに合わせて設備の改良を行うとともに、職場での活動スタイルを見直すなど、創意工夫によりエネルギー消費量の削減に努めています。
LED設備の導入
駅のコンコース、ホーム、トイレ、事務室や商業施設などにおいて従来より消費電力が少なく長寿命であるLED照明の導入を行っています。2017年度は博多駅ほか57駅や、踏切照明870箇所などに導入し、2017年度末時点で累計約93,000台を設置しています。また、LED照明だけでなく、駅の電光看板や信号機、踏切警報機等において、従来の蛍光灯式や電球式にかわりLEDを採用し、消費電力の削減及び設備の長寿命化を図っています。
車内温度の維持の取り組み
夏期や冬期において、終着駅で折り返し発車を待っている列車や、通過列車を待ち合わせている列車は、ドアを開放しているために冷房や暖房の効果が低減してしまいます。そこで、お客さまが乗降するドアのみを開閉できる押しボタン式開閉ドア(スマートドア)の導入や扉選択機能を装備した車両での乗務員による一部のドアを除いた一時的な閉扉対応など、列車内の温度を維持する取り組みを実施しています。また、一部車両においては、ブラインドやカーテンを活用することで冷房負荷を抑制するとともに、お客さまに快適な車内温度を提供する取り組みを実施しています。
アイドリング停止
気動車列車では、2008年3月のダイヤ改正より、概ね6時~19時の時間帯に終着駅で折返して発車を待っている列車や駅で停車中の回送列車において、走行エンジンの停止(アイドリング停止)を行い、軽油の使用量の削減やエンジンからの排ガス、エンジン音の抑制に取り組んでいます。
節電の取り組み
年間を通じて電力使用量の削減に取り組んでいます。また毎年、電力需要がピークとなる7~9月の3ヶ月間を「夏期節電月間」、12月~3月の4ヶ月間を「冬期節電月間」として節電への意識向上、取り組みの強化を行っています。
- 運転用電力の節電
- 電車列車において、車内温度を過度にならないよう設定
(夏季:冷房温度26℃・冬期:室温20℃)
- 電車列車において、車内温度を過度にならないよう設定
- 駅での節電
- 安全上支障のない範囲で、ホーム・コンコース等の蛍光灯を一部取外し、日中は減灯及び一部消灯
- みどりの窓口、待合室等の室温を過度にならないよう設定
(夏季:室温28℃・冬期:室温20℃) - お客さまの少ない時間帯で、自動券売機及び自動改札機の一部使用停止
- オフィス(本社・支社・事務室等)での節電
- 適切な室温の設定(夏季:28℃・冬期:20℃)
- エレベータの利用抑制(3UP3DOWN)
- 蛍光灯の一部取外し、照明が不要なエリア(窓際等)の消灯、昼休みの完全消灯
- パソコンのこまめな電源OFF、パソコンモニターの明るさ低減 等
- ピークカットタイム(夏季12:00~15:00、冬季17:00~20:00)の設定
(パソコン等事務用機器の一旦電源OFF等)
省電力パソコンの導入
2014年3月より、社内のパソコンを従来のデスクトップ型パソコンから省電力ノートブック型パソコンに更新しています。1台あたりの消費電力は従来のパソコンの1/4以下に抑えられるほか、昼間はバッテリー駆動とし、夜間にバッテリーを充電するピークシフト機能の活用を推奨し、電気需要の平準化に資する取り組みも行っています。
クールビズの実施
2007年より、駅社員・車掌・運転士の盛夏衣を見直し、一部を除いてクールビズを実施しています。
また、2008年より、本社・支社においてもクールビズを実施しています。
2014年よりクールビズ期間の拡大(5月1日~10月末)を実施し、さらなる地球温暖化防止の取り組みを推進しています。
太陽光発電事業への参入
循環型社会の創出に向けて、2013年3月に、宮崎県都城市において、大規模太陽光発電事業(メガソーラー)を開始しました。年間発電の規模は210万kWh(約525世帯分)で、発電した電力は、再生可能エネルギー全量買取制度の活用により売電を実施しています。
このほか、グループ会社各社において事業所の建屋屋上や遊休地を活用した太陽光発電事業を実施しています。
グループ会社の取り組み
環境にやさしい本店ビル
2013年3月に完成した九州電気システム(株)の本店ビルは、ビル屋上に太陽光発電システムを設けているほか、使用電力量の見える化と自動制御を行うシステム(BEMS)の導入や、全室にLED照明を使用するなど、環境にやさしい設計になっています。
太陽光発電と環境保全
JR九州リネン(株)では、循環型社会の創出に向けて、2014年2月に、太陽光発電パネルを本社及び工場屋根全面に設置し、年間27万kWhの発電を開始しました。
また、工場敷地の立地条件を活用した「風と太陽光による自然乾燥」に加えて牛乳タンクを再利用した「蒸気回収システム」等によって、重油使用量のさらなる削減に努めています。
そのほか、工場及び本社内全照明のLED化や工場屋根・外壁に断熱効果のある塗料を使用した塗装を行い、室内温度上昇の抑制を行うなど、会社全体で環境保全への取り組みを推進しています。
熱エネルギーの効率利用
JR九州ハウステンボスホテル(株)では、天然温泉「琴乃湯」で使用した排水や、給湯設備での加熱に使用した高温蒸気の排熱を給湯設備の加熱過程で再利用し、館内の温水供給にかかわるエネルギー効率を向上させる設備を導入しています