JR九州グループ地球環境への取り組み

地球温暖化防止に向けて

効率的なエネルギー利用

 新築、リニューアルなどに合わせて設備の改良を行うとともに、職場での活動スタイルを見直すなど、創意工夫によりエネルギー消費量の削減に努めています。

LED設備の導入

 駅のコンコース、ホーム、トイレ、事務室や商業施設などにおいて従来より消費電力が少なく長寿命であるLED照明の導入を行っています。2018年度は筑前前原駅ほか48駅や、車両センター7箇所などに導入し、2018年度末時点で累計約
104,000台を設置しています。また、LED照明だけでなく、駅の電光看板や信号機、踏切警報機等において、従来の蛍光灯式や電球式にかわりLEDを採用し、消費電力の削減及び設備の長寿命化を図っています。

LED照明(門司駅)
LED照明(指宿枕崎線 谷山駅)
全方向踏切警報灯(LED形)
全方向踏切警報灯(LED形)

車内温度の維持の取り組み

 夏期や冬期において、終着駅で折り返し発車を待っている列車や、通過列車を待ち合わせている列車は、ドアを開放しているために冷房や暖房の効果が低減してしまいます。そこで、お客さまが乗降するドアのみを開閉できる押しボタン式開閉ドア(スマートドア)の導入や扉選択機能を装備した車両での乗務員による一部のドアを除いた一時的な閉扉対応など、列車内の温度を維持する取り組みを実施しています。また、一部車両においては、ブラインドやカーテンを活用することで冷房負荷を抑制するとともに、お客さまに快適な車内温度を提供する取り組みを実施しています。

305系電車押しボタン式開閉ドア(スマートドア)
305系電車押しボタン式開閉ドア(スマートドア)
扉選択機能(813系電車)
扉選択機能(813系電車)

アイドリング停止

 気動車列車では、2008年3月のダイヤ改正より、概ね6時~19時の時間帯に終着駅で折返して発車を待っている列車や駅で停車中の回送列車において、走行エンジンの停止(アイドリング停止)を行い、軽油の使用量の削減やエンジンからの排ガス、エンジン音の抑制に取り組んでいます。

アイドリング停止
アイドリング停止

電力貯蔵装置の導入

 2018年11月より、筑肥線 唐津変電所に電力貯蔵装置を導入しています。本装置によって、電車の減速時に発生する回生電力を貯蔵し、加速時に利用することで運転時の電力使用量を削減することができます。また、災害等で停電が発生した場合の電力供給にも活用できます。

電力貯蔵装置
電力貯蔵装置

節電の取り組み

 年間を通じて電力使用量の削減に取り組んでいます。また毎年、電力需要がピークとなる7~9月の3ヶ月間を「夏期節電月間」、12月~3月の4ヶ月間を「冬期節電月間」として節電への意識向上、取り組みの強化を行っています。

  • 運転用電力の節電
    • 電車列車において、車内温度を過度にならないよう設定
      (夏季:冷房温度26℃・冬期:室温20℃)
  • 駅での節電
    • 安全上支障のない範囲で、ホーム・コンコース等の蛍光灯を一部取外し、日中は減灯及び一部消灯
    • みどりの窓口、待合室等の室温を過度にならないよう設定
      (夏季:室温28℃・冬期:室温20℃)
    • お客さまの少ない時間帯で、自動券売機及び自動改札機の一部使用停止
  • オフィス(本社・支社・事務室等)での節電
    • 適切な室温の設定(夏季:28℃・冬期:20℃)
    • エレベータの利用抑制(3UP3DOWN)
    • 蛍光灯の一部取外し、照明が不要なエリア(窓際等)の消灯、昼休みの完全消灯
    • パソコンのこまめな電源OFF、パソコンモニターの明るさ低減 等
節電ポスター

クールビズの実施

 2007年より、駅社員・車掌・運転士の盛夏衣を見直し、一部を除いてクールビズを実施しています。
 また、2008年より、本社・支社においてもクールビズを実施しています。
 2014年よりクールビズ期間の拡大(5月1日~10月末)を実施し、さらなる地球温暖化防止の取り組みを推進しています。

クールビズの実施
クールビズの実施

環境にやさしいオフィス

 2018年3月に完成したJR九州熊本支社のオフィスは、様々な環境配慮技術を用いた建物となっています。
 建物には全てLED照明を採用し、消費電力の削減及び照明器具の長寿命化を図っています。加えて、高架下空間の建物でありながら、自然採光を多く取り入れる設計であることや、複層Low-eガラスで遮熱性を高めることで使用エネルギーの抑制を促進しています。
 また、環境省の検証事業へ参画し、断熱性に優れているとされるCLT工法を用いてエネルギー及びCO2削減効果について検証を行っています。この検証によりCLTのさらなる普及につながることを期待しています。

※Cross Laminated Timber の略称で、挽き板を並べた層を、板の方向が層ごとに直交するように重ねて接着した大判パネルのこと。

熊本支社オフィス内
熊本支社オフィス内

グループ会社の取り組み

再生可能エネルギー事業の拡大

 九州電気システム(株)は、2018年3月に再生可能エネルギーを利用した大規模太陽光発電事業(メガソーラー)を大分県玖珠町にて開始しました。温室効果ガスを排出せずに作った電力を売電しております。
 発電面積は4万㎡、年間の発電規模は約240万kWh(一般家庭で約600世帯分)であり、2013年に発電開始した都城太陽光発電所の規模を上回る発電所となります。

玖珠太陽光発電所
玖珠太陽光発電所
環境にやさしい本店ビル

 2013年3月に完成した九州電気システム(株)の本店ビルは、ビル屋上に太陽光発電システムを設けているほか、使用電力量の見える化と自動制御を行うシステム(BEMS)の導入や、全室にLED照明を使用するなど、環境にやさしい設計になっています。

九州電気システム(株)本店
九州電気システム(株)本店
太陽光発電と環境保全

 JR九州リネン(株)では、循環型社会の創出に向けて、2014年2月に、太陽光発電パネルを本社及び工場屋根全面に設置し、年間27万kWhの発電を開始しました。
 また、工場敷地の立地条件を活用した「風と太陽光による自然乾燥」に加えて牛乳タンクを再利用した「蒸気回収システム」等によって、重油使用量のさらなる削減に努めています。
 そのほか、工場及び本社内全照明のLED化や工場屋根・外壁に断熱効果のある塗料を使用した塗装を行い、室内温度上昇の抑制を行うなど、会社全体で環境保全への取り組みを推進しています。

JR九州リネン(株)本社及び工場
JR九州リネン(株)本社及び工場
自然乾燥棟
自然乾燥棟
熱エネルギーの効率利用

 JR九州ハウステンボスホテル(株)では、天然温泉「琴乃湯」で使用した排水や、給湯設備での加熱に使用した高温蒸気の排熱を給湯設備の加熱過程で再利用し、館内の温水供給にかかわるエネルギー効率を向上させる設備を導入しています

ホテルオークラJRハウステンボス
ホテルオークラJRハウステンボス