JR九州 環境報告2018

地球環境との共生

化学物質の管理

 地球環境に影響を与える化学物質を、法令に基づき適正に管理・処理しています。

フロン対策

 オゾン層を破壊するフロン類については、対象事業所毎に登録するとともに、フロン類の廃棄・整備時における充填・回収量を記録し、適正に管理しています。また、2015年4月より施行された「フロン排出抑制法」に基づき、点検の実施等によりフロン類の漏えい防止に努めています。

揮発性有機化合物(VOC)の排出施設の管理

 一部の車両には有機化合物を含んだ塗料による塗装を施しており、塗料を使用する施設の届出や排出濃度の測定など、大気汚染防止法に基づいた適切な管理を行っています。

CO2・NOx対策

 軽油で走行する気動車については、架線式蓄電池電車「DENCHA」や蓄電池搭載型ディーゼルエレクトリック車両「YC1」へ置き換えていくことにより、エネルギー消費効率の向上とCO2・NOx(窒素酸化物)の排出量の抑制を目指していきます。

排ガス対策エンジン搭載車両(いさぶろう・しんぺい号)
排ガス対策エンジン搭載車両(いさぶろう・しんぺい号)

PCB廃棄物の管理

 かつて車両や電気設備の絶縁油としてPCB(ポリ塩化ビフェニル)を使用していましたが、車両や機器の使用廃止及び更新の際に、PCBを含まないものに取り替えています。使用済みのPCB廃棄物は関係法令に基づき適正に管理しています。
 2005年5月より、小倉総合車両センターに保管していたPCB廃棄物の処理を日本環境安全事業(株)(現:中間貯蔵・環境安全事業(株))北九州事業所にて開始し、2008年4月から、鹿児島車両センターにて保管しているPCB廃棄物の処理も進めています。
 また、絶縁油として鉱油を使用し、PCB不含証明書のない機器については、絶縁油に微量のPCBが混入している可能性があるため、PCB含有の分析を行い適正に保管するとともに、2011年より順次処理を進めています。

PCB廃棄物(小倉工場保管庫内)
PCB廃棄物(小倉工場保管庫内)

アスベスト対策

 アスベスト(石綿)は1950年頃から車両や建築物の断熱材として使用されていました。現存する一部の車両において断熱材として使用されていますが、固形化され飛散の恐れはありません。また、一部の車両機器・変圧器・遮断機などにアスベスト含有部品が使用されていますが、機器の使用廃止や補修にあわせてノンアスベスト部品へ取り替えているほか、建築物の吹付けアスベスト使用箇所は2006年度までに除去・飛散防止措置を行っています。
今後も、新たなアスベスト含有が認められた箇所は適切に除去・飛散防止措置を行っていきます。

PRTR法への対応

 各事業所で使用する化学物質については「PRTR法」(化学物質排出把握管理促進法)に基づき適正に管理しています。2017年度は、小倉総合車両センターと熊本総合車両所の2事業所において、車両の塗装に使用される有機溶剤の排出量などの届出を行いました。