トップメッセージ

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 九州の元気を、世界へ

古宮洋二

 当社グループは、1987年の会社発足以来、まちとまち、まちと人、人と人とをつなぐ企業として、鉄道事業だけではなく、様々なことに挑戦を続けてきました。その中でコロナ禍に見舞われ、事業存続のために鉄道事業での大胆な構造改革やグループ企業の見直し等を実施しましたが、お客さまからの声をいただき、同時に社員にも負担をかけることもありました。苦しいコロナ禍の時期を経る中で、当社グループの存在意義は、「地域の皆さま、お客さまに当社グループとの繋がりを通じて元気になっていただき、九州の皆さまとともに活力溢れる九州にしていくこと」、さらに、「九州はもとより当社グループが事業展開する様々なエリアにおいて、当社グループの商品、サービスに触れていただく世界中のお客さまとの繋がりを広げ、より多くの方々に九州の元気を届けること」だと感じました。
 2024年度までにコロナ禍から成長軌道への復帰を果たし、新たな未来への挑戦を開始するタイミングで、これからの会社の方向性を示すべきと考え、2025年3月に経営理念を一新しました。ホームグラウンドである九州の人や地域を元気にしていくという根柢にある考えは変わりませんが、「安全を最優先し、お客さま視点で考え、安心で快適な毎日と“わくわく”するときをつくる」ことを「使命」とし、「九州の元気を、世界へ」届けることを「わたしたちの夢」としました。
 経営理念の見直しに伴い、社員一人ひとりの業務との連動をより意識できる形として、JR九州グループが常に考えるべきこと(マテリアリティ)を経済的価値・社会的価値を創出する「事業」と、事業を支える人材やガバナンス、環境からなる「基盤」とに区分しました。
 事業の面では、経営理念を念頭に「最大の使命である安全の創造とお客さま満足の追求」と「モビリティサービスを軸に総合力を活かした地域との共創によるまちづくり」を掲げました。公共交通機関を基軸とした事業展開をしている当社グループが持続可能な社会の構築に向けて為すべきことは、少子高齢化や人口減少、社会インフラの老朽化が社会問題として顕在化する中で、「駅周辺のまちづくり」と「まちとまち、まちと人、人と人をつなぐ」ことにより、駅周辺人口・交流人口を創造していくことだと考えています。また、事業を支える基盤の面では、価値創造の源泉である人づくりや、環境と調和した事業展開を推進するとともに、健全な企業運営のためのガバナンスの強化等を進めることに注力してまいります。
 元気な九州をつくっていくため、その元気を世界中に拡げていくため、地域の方と話し合い、様々な方と手を取り合いながら、長期的な視点でエリアに応じた持続可能なまちづくりに取り組み、そしてそのまちを、交通ネットワークでつないでいくことにより、経済的・社会的な価値の創造に取り組んでまいります。

 引き続き、当社グループの事業活動にご愛顧とご支援を賜りますようお願い申し上げます。


2025年3月
九州旅客鉄道株式会社
代表取締役社長執行役員
古宮 洋二