学生時代に通学でJR九州を利用していました。毎日駅員の方が笑顔で挨拶をしてくれて、辛いことがあっても駅員の方の姿を見て元気をもらっていました。就職先を決める際、素敵な駅員や車掌の丁寧な案内、駅発着時に安全確認を行う格好良い姿に憧れたことを覚えています。また、私が高校在学時、何か人の役に立てることがしたいとボランティアに注力していたこともあり、何より地元の人々の生活を支え、自分も元気を与えられる存在になりたいという想いからJR九州への入社を決めました。

車掌の業務は大きく「列車の運行」と「お客さまサービス」の2つがあります。「列車の運行」業務は列車が駅に到着した際、停止位置の確認、乗降ドアの開閉、信号確認や定時運行のための時刻確認といった正確さが求められます。「お客さまサービス」は列車内でのきっぷの販売やご案内、空調管理、ダイヤが乱れた際の乗り換え案内、急病のお客さまの応対や救急車手配、列車の運行を管理する指令所との情報共有など、車内や運行状況に応じて臨機応変な対応が求められます。どちらも私が列車の安全・定刻運行を支えているという誇りと責任を持って業務に臨んでいます。加えて列車を安全に運行するためには、多くの方が関わっています。その中でお客さまの一番近くで働き、直接「ありがとう」という言葉をいただけるのは嬉しく、運行に携わるすべての方へ感謝の気持ちを持って日々取り組んでいます。

さまざまな車掌業務がありますが、特にお客さまに接する際は常に「私ごと」として考えることを大切にしています。私自身が今、お客さまなら理解できるだろうか、どんなことに困るだろうかと考え、私から「お客さまに近づく」ことで、お客さまも声をかけやすい状況をつくることができます。また、安全面においても他の社員が起こしてしまったミスを他人事にせず、今の私は大丈夫だろうか、何か見直す点はないかと追求し続ける姿勢も心がけています。

車掌になり３年が経ちますが、この間、2名の車掌見習いの養成に携わることができました。知識も経験もない社員に車掌業務を教えるのにとても苦労した反面、私自身も大きく成長することができました。加えて見習いが実務試験に合格して車掌の発令を受けた時、そして安全に乗務している姿を見て、私のことのように嬉しかったのを覚えています。今後も機会があればぜひ、養成に携わりたいと思っています。

12月から車掌として私の目標だった「ソニック」や「リレーかもめ」といった特急列車に乗務することになりました。特急列車をご利用されるお客さまの中には乗り継ぎで九州外に行かれる方もいらっしゃいます。JR九州管内だけの知識では到底足りず、外国のお客さま対応も増え、語学も磨いていく必要があります。まずはD&S列車「ゆふいんの森」の専任車掌をめざして、車掌としてレベルアップしていきたいです。また、車掌は子どもたちに憧れてもらえる職業でもあります。高校時代、私自身が働く先輩たちに憧れたように、今後も格好良い姿を見せ続けたいと思っています。