自由時間手帖

JR九州

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のんびり鉄道で
人生を振り返る旅を

柴門ふみ

柴門ふみ

1957(昭和32)年、徳島県生れ。お茶の水女子大学卒。1979年漫画家デビュー。あらゆる世代の恋愛をテーマにして『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』など多くの作品を発表している。現在『恋する母たち』連載中。またエッセイ集として『恋愛論』『ぶつぞう入門』『オトナのたしなみ』などがある。ペンネームは中学時代からファンであったポール・サイモンに由来している。

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阿蘇山火口

阿蘇山火口

今も噴煙を上げて活動する中岳を中心とした、世界最大級のカルデラ。
エメラルドグリーンの湯だまりと、溶岩の露出したダイナミックな山肌が、多くの観光客の目を楽しませている。

「阿蘇の火口には言葉を失った。
「こんな間近にまで寄っていいのか?」
煙を噴き上げる火口は、観光する私たちの足元から数メートルしか離れていなかった。観光客を遠ざける柵もなかった。地面が突然、すとんと丸く抜け落ちていて、そこからもくもくと白煙が上がっているのだ。そんな光景は生まれて初めて見た。 」

柴門ふみ『のんびり鉄道で人生を振り返る旅を』(2019)

いさぶろう・しんぺい号

いさぶろう
しんぺい号

霧島連山や桜島を望む「世界三大車窓」の絶景と、ループ・スイッチバックで知られる、貫禄あるD&S列車(JR九州の観光列車)。吉松行きが「いさぶろう」、熊本・人吉行きが「しんぺい」と明治時代の鉄道の偉人にちなんだネーミング。

「 「いさぶろう・しんぺい号」の「いさぶろう」は肥薩線建設当時に逓信大臣だった山縣伊三郎に由来し、「しんぺい」は初代内閣鉄道員総裁だった後藤新平に由来している。偉人の名を冠したこの列車は、人吉から吉松まで、熊本、宮崎、鹿児島と三県をまたいで走るのだ。 」

柴門ふみ『のんびり鉄道で人生を振り返る旅を』(2019)

人吉駅

人吉駅

熊本県南東地域の主要都市である人吉市の代表駅。
D&S列車(JR九州の観光列車)「特急 いさぶろうしんぺい」だけでなく、「特急 かわせみやませみ」「SL人吉」が乗り入れており熊本観光の起点のひとつとなっている。全国的にも珍しくなった駅弁の立ち売りが名物。

「晩秋の人吉駅前。申し分のない晴天の下、「いさぶろう・しんぺい号」目当てと思われる観光客の姿が目立つ。駅前広場に小さな天守閣が建っている。「人吉城」をイメージして作られたからくり時計なのだ。その前に、ぞろぞろと観光客が集まってきた。どうやらからくり時計が動く時刻らしい。

やがて臼太鼓の軽快な音楽が響き、お城の扉が開くと、ひょっこりお殿様人形が現れた。二頭身で愛嬌たっぷりのお殿様だ。この殿様が町人に扮して酒や温泉を楽しむストーリーが繰り広げられるのだ。その時間3分強。」

柴門ふみ『のんびり鉄道で人生を振り返る旅を』(2019)

霧島温泉郷

霧島温泉郷

天孫降臨伝説の霧島山の懐から湧き出る霧島温泉郷は、大小9つの温泉からなり、いずれも標高600mから850mの間に位置。個性豊かな泉質を楽しむことができる。坂本龍馬が日本初の新婚旅行として訪れたことでも知られる。

「霧島温泉郷は、霧島山の南麓にあり、9つの温泉が点在している。町の至る場所で湯煙が立ち上がり硫黄の匂いが鼻をつく、これぞまさしく「温泉街」。丸尾温泉街にある「霧島温泉市場」では、温泉の蒸気で茹でる温泉卵も、足湯も、日本人が求める正統派の温泉街である。 」

柴門ふみ『のんびり鉄道で人生を振り返る旅を』(2019)

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