ekiniko

東別府駅

東別府駅プロジェクト

「BEPPU STUDIO 04」は、NPO法人BEPPU PROJECTとJR九州が協働し、東別府駅構内にある保線詰所の2階遊休スペースに開設したレンタルスタジオです。
スタジオ内には食のアーティスト・クリエイターが活動できるキッチン設備を設け、駅舎とアトリエの間にある「庭」も作品制作や発表の場となります。
駅舎にとどまらず、駅構内の建物にもあらたないのちを吹き込む、新しいekinicoのかたちを目指します。

線路を保守するための詰所が食のスタジオに

東別府駅がある別府市南部・浜脇地区は、別府市がモデルエリアとしてアーティストやクリエイターの移住促進に取り組んでいます。「BEPPU STUDIO 04」は元々は線路を保守する社員が仕事をしていた詰所でしたが、2階スペースの多くは既に使われていないスペースになっていました。
BEPPU PROJECT、FUJIWALABO、JR九州が、浜脇地区、そして地区の玄関口である東別府駅に必要な機能として「食と庭をテーマにしたアーティストが活動できる場所」を選び、整備をスタート。
アーティストが利用できるキッチンと居住スペースを備えており、駅舎以外の改修はekinicoでは初めての取り組みで、線路を保守するための詰所がスロープで駅とつながる立地条件をうまく利用した計画となっています。

これから、スタジオと庭を舞台にした活動により、駅や浜脇地区のにぎわいづくりに取り組んでいきます。

【BEPPU STUDIO】

別府市は、2022年12月に『令和4年度 芸術文化実施計画 文化観光の推進とアーティスト・クリエイター移 住・定住計画』を策定し、アーティスト・クリエイターの移住定住を促進しています。この流れを受け、アーティスト・ クリエイターが活動できる場として NPO法人BEPPU PROJECTが開設したのが『BEPPU STUDIO』で す。2024年3月に空き物件を改修したレンタルスタジオ『BEPPU STUDIO 01』を開設し、このたび、『BEPPU STUDIO 02,03,04』を開設。『BEPPU STUDIO 04』の開設については ekinico プロジェクトとして BEPPU PROJECTとJR九州が協働して取り組みました。

【BEPPU PROJECT】

BEPPU PROJECTは、世界有数の温泉地として知られる大分県別府市を活動拠点とするアート NPO。2005年4月に発足して以来、現代芸術の紹介や普及、フェスティバルの開催や地域性を活かした企画の立案、人材育成、地域情報の発信や商品開発、ハード整備など、さまざまな事業を通じてアートが持つ可能性の普遍化を目指し、アートを活用した魅力ある地域づくりに取り組んでいます。
(九州観光まちづくり AWARD2023 大賞受賞)

撮影:山中 慎太郎 (Qsyum!)︎ ©︎混浴温泉世界実行委員会
Photo by Shintaro Yamanaka (Qsyum!)©Mixed Bathing World Executive Committee

BEEPU STUDIO 04 設計監修

建築家・横浜国立大学准教授でフジワラテッペイアーキテクツラボを主宰する藤原徹平さまが建物改修の設計監修を行いました。

藤原徹平(建築家/フジワラテッペイアーキテクツラボ主宰/横浜国立大学 准教授)
建築家としてだけではなく、ランドスケープ、アート、パフォーミングアーツなど領域を越境した活動を展開

藤原徹平 撮影:FUJIWARABO

1975年横浜生まれ


主な建築作品
<クルックフィールズ>、 <小浜ヴィレッジ>、<京都市立芸術大学>、<チドリテラス>など。


その他活動
<ドリフターズサマースクール(2009~2012)>、<2011港のスペクタクル>、< 横浜トリエンナーレ2017会場デザイン>、<リボーンアートフェスティバル2016/ 2017/2019会場デザイン>、<RAU都市と芸術の応答体>など。


主な受賞
横浜文化賞文化・芸術奨励賞 JIA新人賞ほか

設計コンセプト ~食と庭のアトリエ~

別府のまちと環境を耕していく拠点をつくりました。歴史ある東別府駅の駅舎に隣り合うこのスタジオ は、線路に面した長いキッチンを持ちます。アトリエの外観デザインについては、形はほとんど変えず、 周囲には存在しない色で塗りこめることで、場所に馴染みながらもささやかな違和感を感じさせるデザインとしています。内部空間については、キッチン工房として空間を整えつつ、銭湯やまちなみのカラーで彩った空間としています。このアトリエが駅という公共的な場とどのように作用し合うのか、駅舎 とアトリエとの間にある土地を、これから1年かけてアーティストやクリエイターとともに実験しながら 「庭」としてつくっていきたいと思います。