仕事理解はこちら

長崎に新たなランドマークをつくる
長崎駅ビル開発プロジェクト

長崎駅ビル開発プロジェクト

INDEX

  • INTRODUCTION

  • THEME.1

  • THEME.2

  • THEME.3

INTRODUCTION

これまでJR九州グループは、博多をはじめ鹿児島や大分、宮崎、熊本など九州各地でまちづくりを展開してきました。私たちが掲げているまちづくりのテーマは、「住みたい、働きたい、訪れたい」まちの創造です。そして現在、西九州エリアの陸の玄関口である長崎駅を中心としたまちづくりに取り組んでいます。2022年9月23日に西九州新幹線が開業し、長崎駅周辺には県庁舎や警察署が移転、さらに2024年に「長崎スタジアムシティ」の開業が控える中、商業、ホテル、オフィスを備えた長崎の新たなランドマークとなる複合施設「新長崎駅ビル」を新たに開業させました。
今回は長崎駅ビル開発プロジェクトに携わった3名の社員に、それぞれどんな想いでこのプロジェクトに臨み、どんな価値を生み出すことができたのかご紹介します。

THEME.1 テナントリーシング

アミュプラザ長崎を
人流を生み出す「長崎初」の集積地に。

鶴 崇司TAKASHI TSURU

JR長崎シティ 出向
2012年入社

初めて長崎という地に赴任したとき、最初に感じた課題は「人が他県に流れてしまっている」現状でした。九州のなかで最も人口流出率が高く、働き口が少ないため、まちから活気が失われつつある危機を払拭し長崎に活気を取り戻すために、アミュプラザ長崎を圧倒的な地域一番店にしたい、プロジェクト参画当時に固く決意したことを覚えています。
長崎駅ビル開発プロジェクトは、複合開発です。私はアミュプラザ長崎新館の開業、そして本館のリニューアルにおいて、テナントリーシングを担いました。最初に着手したのは、徹底的なマーケティングです。長崎市内にある商業施設や百貨店から足りていない業態店舗を調査し、加えて現在のアミュプラザ長崎本館にご来店いただけていないお客様層はどんな層なのか、なぜご来店いただけていないのかをすべて洗い出ししました。見えてきたのは、若いお客様が買い物をする店舗が少なく、福岡等に流れてしまっていたこと。コスメやセレクトショップを中心に「長崎初出店」の店舗を誘致し、他県に行かずともアミュプラザ長崎でお買い物が完結することをテーマに店舗を揃えていきました。

2023年11月、新館は無事に満床で開業を迎え、さらに2024年3月にアミュプラザ長崎史上、最大の本館リニューアルを終え、おかげさまで多くのお客様に現在もご来店いただいています。
特に今回、新館に新設した屋上庭園は、若い世代のお客様がSNS配信に利用していただいたりと、人が集う場所として認知が広まりつつあります。青春を過ごした場所として、またそういった方たちが大人になり、さらに子供を連れて遊びにきてくれる、長きにわたるサイクルを継続していきたいと、気持ちを新たにしました。
もう一つ、アミュプラザ長崎単体ではなく、長崎というまち全体をどう活性化していくか、この意識は私たちにとって欠かせません。今回、新館を立ち上げるにあたり、まちづくり推進協議会を私たちが主導で発足させました。プロジェクト開始当初は、「駅にばかり人が集まってしまうのではないか」という懸念の声をまちの方からいただいたことも、もちろんあります。ですが駅を起点にさまざまな催しを仕掛け、主導していくことで、人の流れをまち全体に波及させていく活動は、今度も継続して取り組みたいことの一つです。

MESSAGE

実は新館の立ち上げプロジェクトは、約半分が20代の社員が参加しつくりあげています。実際に長崎駅に足を運んでいただき、「すごい」「大きい」「楽しい」と感じていただけたら嬉しいですし、加えて学生の方と近しい世代の社員が知恵を絞り、まちのランドマークをつくっているんだとぜひ知ってほしいと思っています。大きなチャンスがJR九州にはありますし、他では体験できないスケールの仕事を一緒に楽しみたいと思っています。

THEME.2 JR長崎駅ビル開発

永く愛される
長崎らしい唯一無二の施設を。

藤原 有衣香YUIKA FUJIWARA

事業開発部 開発工事部
2016年入社

私は予算や工程の管理、建物計画やデザインの調整および、設計事務所や施工会社、行政との協議など、一連の業務を建築の知識を活かしながら、プロジェクトマネージャーとして事業の推進に携わりました。主に担当したのは、商業フロアとオフィスフロアです。
これまでは鉄道建築の部署に所属していましたので、事業開発という経験は浅いなか今回のような大規模プロジェクトに参加することになり、とにかくいろいろ吸収して学びたい、楽しみたいという気持ちが大きかったです。
私が注力したこと、それはいかに「長崎らしさ」を演出し、お客さまに長く愛していただける施設にしていくかということでした。私自身、長崎に縁がなかったため、さまざまなイベントに足を運び、「長崎らしさ」の具体的なイメージを掘り下げていきました。外観は造船、海、波をテーマに流線型やレンガを使用。さらに長崎の特徴の一つである、オランダ文化と日本文化が融合した多様で複雑な文化を、フロアごとにコンセプトカラーを設けることで表現。随所に長崎県産品の建材を取り入れることで、単なる商業施設としてではなく、長崎の文化・魅力の発信地としての役割を持たせることができました。

もう一つ、注力したこととして、当たり前のことではありますが、お客さまが安全で快適に利用できる施設かどうかには気を配りました。駅ビルは、小さなお子さまからお年寄りの方まで、幅広い年齢のお客さまが利用されます。サイン等の吊物は地震時には落下リスクがありますので、落下防止対策を設計会社と検討し、少しの段差や手の届く範囲に危険な箇所はないか利用者の目線にたって確認を行いました。また、駅ビルだけでなく賑わいを生み出す「かもめ広場」や回遊性を生む「ペデストリアンデッキ」など、点ではなく面として考えるまちづくりの大切さを学ぶことができました。
規模の大きいプロジェクトは、それだけ関わる人も膨大になります。そんななかで私自身が「利用してくださる皆さまに愛される空間にしたい」という軸を見失うことなく開業まで走り抜くことができたことは、大きな自信になりました。また、経験をとおして得られた人脈は、財産でもあります。今後、ホテルをはじめさまざまな開発を経験できる機会があれば、今回のプロジェクトで得たプロフェッショナルたちとのつながりを大いに活かしていきたいと思っています。

MESSAGE

JR九州では、開発を行うにあたり設計事務所や施工会社、さまざまな関係者と協議を行いながら主体的にプロジェクトを進めることが出来ると思っています。また、自分が携わった施設が無事開業できた時の達成感と、利用されているお客さまの姿や笑顔を見たときの喜びを感じることができるのは、大きな魅力です。ぜひ一度、長崎に足を運び、私たちのまちづくりを体感してみていただけると嬉しいです。

THEME.3 長崎マリオットホテル開発

長崎マリオットホテル
「グローバルでローカルなホテル」を
長崎のランドマークに。

田中 佑樹YUKI TANAKA

JR九州ホテルマネジメント株式会社
2009年入社

長崎駅の複合開発、その中核的な機能として、世界2億人※を超える会員ネットワークを誇る世界最大のホテルチェーン「マリオット・インターナショナル」と提携した外資系高級ホテル「長崎マリオットホテル」の開発に、初期構想から開業までを企画開発プロジェクトマネジメントという立場で携わりました。西九州新幹線を契機にしたまちづくりというテーマのもと、ランドマークとなる長崎駅ビル開発の中心としてホテルを計画し、携わるからには世界中のゲストだけでなく地元の方にも愛されるホテルにしたいという想いが強くありました。
これまで自社ブランドのホテル開発は経験してきましたが、外資系ホテルの開発は当社グループとして初めての経験でした。マリオット側の設計やデザイン責任者をはじめ、インテリアデザイナーや多数のコンサルタントや施工業者など膨大な関係者がおり、協議調整・合意形成・オーナーとしての判断を一歩一歩前に進めていく経験をできたとは会社人生においてかけがえのない財産となりました。
※会員数:2024年5月時点

開発においては、マリオットのブランド基準を守りながらも、素晴らしい協力会社様のおかげでインテリアやアートワークなど、館内の随所に長崎らしいエッセンスをたくさん取り入れることができました。県外から観光で来られた方にも、地元の方にも長崎を感じていただけるホテルにできたと思っています。2024年1月に無事開業し、お客さまからは多くの評価をいただいており、自身が携わったインテリアへのお声もあり、嬉しく感じています。
現在は開業後もホテル運営会社に出向し、運営のサポートを行っています。今回、プロジェクトを進めるなかで、行政をはじめとするさまざまな地元の方々とつながることができました。長崎を国際観光都市に育てたいという地元の方々の想いを実現すべく、県外の人だからこそ感じる長崎の魅力を地元の方々を巻き込みながら発信していき、長崎マリオットが世界・地元に愛されるホテルにしていきたいと思っています。

MESSAGE

今回のプロジェクトではまちづくりに携わる魅力を実感できました。開業までは、長崎マリオットホテルができることに対する地元や国内外の方々からの期待をひしひしと感じながら仕事ができましたし、開業してからは、国内外の多くの人が集い、活気が生まれ、まちが明るく変化し、訪れたいと思われる場所へと変様していく様子を肌で感じることができました。当たり前のようにお客さまが大切な記念日に利用してくださっていることに今でも感動しています。その仕事にどっぷりと浸かれたことは、とても貴重な経験だったと感じています。新たなチャレンジを応援することはJR九州の風土の一つだと思います。ぜひJR九州で一緒にまちづくりをしましょう。

未来鉄道プロジェクト