Fukuoka
Life
Story01
春の訪れを祝うのは
日本人ならではの文化ではないだろうか。
この限られた季節に
大濠公園に訪れることは、
私たち家族の絆でもあるのだ。
いまでは、3世代の家族、
8人の春散歩。
桜並木を愛でながら、
ゆっくり歩いて
くったくのない話に
花を咲かせる。
そうそう、孫がボートに
乗りたいというから、
貸しボートにチャレンジした。
貸しボートに乗った孫は
「こわ~い!!」と
嬉しそうに叫んでいる。
必死にオールを漕ぐ私とは異なり、
その隣で妻は楽しそうに
息子夫婦に手を振る。
春の風が桜の花びらを舞わせ、
池の水面にそっと落ちた。
「これからもこうやって桜を見たいわね」
満開の桜を見上げながら、
若い頃の自慢を孫に語る。
笑い声が響くなか、
家族の時間が流れていく。
Fukuoka
Life
Story02
けやき通りを愛犬のスーと歩きながら、
懐かしい街並みに目をやる。
このあたりも、
かつては賑わいを見せていたが、
今は落ち着いた雰囲気に包まれている。
「ここ、昔はカフェが並んでいたね」
思わず口にした言葉に、
あの頃の情景が鮮やかに浮かび上がる。
「デートでよく来たね」
街を懐かしみながら歩を進めると、
スーが立ち止まり遠くを見つめている。
その視線の先には、
ケヤキ並木が織りなす
新緑のトンネルが広がっている。
「ちょっとコーヒーでもどうかな?」
穏やかな時間の中で、
過去の思い出にトリップしていく。
introduction
けやき通り周辺エリアの
店舗のご紹介
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1.ヌワラエリヤ
福岡の老舗エスニックレストラン。
全国のカレーファンが訪れる名店。 -
2.Mon an
「もっと自由な民族料理」が
コンセプトのエスニック料理の人気店。 -
3.むらた
自家製粉石臼挽きの手打ちそば、
天ぷら、おつまみのお店です。
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4.papparayray
木造の古民家をリノベーションした
オシャレなカフェ。 -
5.ViTO
こだわり抜いた料理、厳選したワイン、
多彩なジェラートを特別な空間で。 -
6.BREAD
店内で焼き上げる手作りパンが
地元に愛される小さな名店。
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7.BOOKS KUBRICK
本を中心に、日々を愉しく、
豊かに過ごすキッカケを
与えてくれる場所。 -
8.BAROQUE
上質な花のフラワーギフト専門店。
アレンジメントや花束の演出が多彩。 -
9.クロスカントリー
自転車の販売、修理はお任せください。
ご来店お待ちしております。
※2025年3月末日の情報をもとに掲載しています。
Fukuoka
Life
Story03
ストレッチをすることから
私の朝がはじまる。
天井まで広がる大きな窓からは、
静かな都会の風景が流れ、
心が落ち着くのだ。
ここならいつものリズムを
崩さずに過ごせる。
このラグジュアリーホテルが、
私のお気に入りだ。
仕事の合間にラウンジでランチを楽しみ、
夜は静かな時間に身を浸す。
都市の喧騒の中でも、
変わらぬ日常を保てる。
福岡はどこまでも進化していく。
Fukuoka
Life
Story04
広場に響くライブ演奏に足を止め、
周囲の近代的なビル群が
夕陽を受けて輝く光景に心を奪われる。
「Wow, it‘s like a futuristic city!」
(まるで未来都市みたいだ!)
目の前の光景に驚きながら、
わくわくと心が躍る。
「If you walk a little further,
you’ll find that lively street food stall, right?」
(少し歩けば、あの賑やかな
屋台街が
あるんだろう?)
日本の伝統と現代が融合した
街並みに魅了され、
新しい文化がここで
息づいていることを感じる。
旅の喜びが胸いっぱいに広がっていく。
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Life
Story05
ライトアップされた福岡城が、
夜桜とともに幻想的な姿を
浮かび上がらせている。
ひらひらと舞い落ちる花びらが、
夜風に乗って私たちの間をすり抜けた。
「きれいだね」「うん」
並木道のベンチでは、
画家がそっと筆を走らせている。
キャンバスには、月明かりに照らされた
桜がゆるやかに描かれ、
その周りでは家族連れやカップルたちが
静かに足を止めている。
「写真とは違う“今”を残すのって、
素敵だよね」
アイスクリームが溶けかけたソーダフロートを
照れ隠しにかき混ぜていると、
彼女は私の顔をのぞき込みながら
微笑んでいる。
視線を夜桜へ戻すと、
彼女が私に寄り添ってくれていた。
Fukuoka
Life
Story06
近代的なガラス張りのビル群の間には、
温かなオレンジ色の灯りが揺れる。
澄んだ秋の夜風。
オープンテラスの飲食店には
楽しげな声が響き、
通りにはゆったりとした
時間が流れていた。
彼は路上のイスに腰を下ろし、
静かにギターを鳴らし始める。
懐かしいメロディが夜の空気に溶け込み、
ワインを片手に耳を傾ける人々の
表情がほころんだ。
ベンチに腰掛ける一人客、
自転車を止めて聴き入るビジネスマン。
誰もが、それぞれの時間の中で、
彼の歌に寄り添っていた。
空を見上げると、
満月がスポットライトのように
街を照らしている。
彼はそっと目を閉じ、
次のフレーズを歌い出した。
ART WORK

米山 夏子
画家・イラストレーター。93〜94年ニューヨーク、フロリダの美術学校。95年慶應義塾大学文学部、セツ・モードセミナー卒業。雑誌編集業を経てフリーの画家・イラストレーターに!
07年ザ・チョイス年度賞受賞。2010年〜展覧会を多数開催。